デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座

絞り優先(AV)モード

最終更新日:2019年5月2日

絞り優先モードは、絞り値を固定したまま撮影することができるモードで、デジタル一眼レフカメラを使いこなす1つの到達点でもあります。このモードが使いこなせるようになると、作品の自由度や表現力の幅が大幅に上がり、デジタル一眼レフカメラの魅力を最も引き出せることができると言えます。ここでは、絞り優先モードの特徴などについてご紹介したいと思います。

絞り優先モードってどんなモード

絞り優先モードは、デジタル一眼レフカメラの撮影モードの1つで、撮影モードダイヤルを「AV」に(ニコンの場合は「A」)合わせたり、メニュー画面から撮影モードをPに変更することで行えます。
AVは(Aperture value)アパチャーバリューの略称のことで、絞り穴の開口量の度合いのことを意味します。
デジタル一眼レフカメラを使いこなしている人にとっても、一番お世話になるモードでもあり、私自身も普段の撮影の大半は絞り優先モードを使って撮影をしています。
絞り優先モードは絞り値を任意の値に固定することができ、周囲の明るさに応じてシャッター速度が自動的に変わるという性質を持っています。それ以外の機能はすべてマニュアル操作で設定可能です。

絞り優先モードは被写界深度のコントロールができる


絞り優先モードでは、シャッター速度以外はすべて自分で決定します。

絞り優先モードの最大の特徴は、被写界深度のコントロールができることにあります。被写界深度とはこちらでも詳しくご紹介していますが、ピントが合って見える範囲のことを言います。これには絞り値と密接な関係があり、絞りを開放すればボケやすくなり、絞り込むことでボケが少なくなるという性質があるほか、レンズの癖や特徴を把握しておけば、そのレンズの能力を大きく発揮させることも可能です。F値を大胆に変えると、ボケ具合も大きく変わるため、どれくらいでどんなボケ方をするのかを学びながら撮影するとよいでしょう。

絞り優先モードはシーンを選ばず万能で使える便利なモード

初心者を卒業した多くの方は、普段の撮影に絞り優先モードを頻繁に使っているのではないでしょうか。時と場合によってはシーンオートやプログラムAEを使う機会もあると思いますが、花火や夜景など、特定のシーンを除くと一番お世話になるのが絞り撮影モードと言えます。
絞り値を任意に変更できるため、ボケのコントロールがしやすいく、同じ構図でも絞り値を変えるだけで作品の雰囲気が変わります。被写体を目立たせたいときは絞りを開放したり、全体的にシャープな写真に撮るには絞りこんだりなど、イメージに合った撮影条件を作り出すことができます。
また、周りの明るさに応じて絞りを調整したり、ISO感度を調整しながら最適なシャッター速度を探すなど、「こういう条件のときは、こういう設定」というのを体で覚えこんでいくのにも適したモードです。

絞り優先モードは自由度が高い分、手ぶれなどの失敗写真の可能性も高くなる

絞り優先モードでは、暗い場所でも絞り値を任意の値に変更できるため、ほかの条件で無理が生じてくることがあります。例えば暗い場所で絞りを絞り込んだ場合、とても遅いシャッター速度になってしまいます。手持ち撮影なら手ぶれになってしまうこともありますし、たとえ三脚で撮影していても被写体がぶれてしまう可能性もあります。

シャッター速度が遅くなりすぎてブレブレの手持ち撮影になってしまった・・・

逆にとても明るい日中の屋外で、絞りを開放した条件にしてしまうと、最も速いシャッター速度にしても、光が入りすぎて白い写真になってしまう恐れがあります。
撮りっぱなしは絶対にせず、1枚1枚撮影をしたら、液晶画面を確認し明るさやブレなどがないかチェックすることが大切。必要に応じて絞り値を調整したり、ISO感度を調整して最適なシャッター速度に加減してあげることが大切です。

絞り優先モードではこんな撮影ができる

それでは、絞り優先モードで撮った作例を見てみましょう。私自身も普段の撮影はほとんど絞り優先モードで撮っていますので、絞り優先のために作った作例ではありませんが、任意の絞り値にすることでこだわった写真が撮れるようになります。


絞りF3.2 シャッター速度1/640秒 ISO感度100 焦点距離70mm
背景をぼかす際には望遠レンズで被写界深度を浅くし、絞りも開放気味で撮影するとふわっとなります。


絞りF11 シャッター速度1/400秒 ISO感度100 焦点距離14mm
今度は全体的にピントが合うようにパンフォーカスに仕上げました。絞り値を大きくすれば全体的にピントが合いますが、シャッター速度に注意しなければなりません。幸いにも日中の晴れた屋外なので、少々絞り込んでも問題ありません。


絞りF1.8 シャッター速度1/20 ISO感度1600 焦点距離50mm
灯籠まつりのワンショット。ライトアップした背景をぼかすために極力絞り値を小さくしましたが、手持ち撮影ではシャッター速度が遅すぎてしまいました。いろいろ考え、手持ち撮影ができる限界ギリギリのシャッター速度になるようにISO感度を調節した結果、手ぶれはなくノイズも許容範囲という状態。こういった攻防戦ができるのも絞り優先モードでの楽しみ方の1つです。


絞りF10 シャッター速度15秒 ISO感度100 焦点距離24mm
できるだけ全体にピントが合い、流れる滝と滑らかな水面が表現できるようにスローシャッターで考えてみました。暗い日陰だったため、絞りをF10まで絞ると、長いシャッター速度を確保できました。


絞りF14 シャッター速度30秒 ISO感度100 焦点距離24mm
絞りをしっかり絞り込むと、写真右のような光芒(ウニのような光の針)が出ます。出方や針の数はレンズの絞り羽根の数や特性によって変わりますが、絞り込むことでこのような光芒を撮影することができます。夜景や太陽を入れた撮影に有効です。

ここでご紹介したのはごくごくわずかであり、結局のところはほとんどのシーンで絞り優先モードが使えるため、使い方をマスターすれば常用のモードとして十分使用することができます。

絞り優先モード まとめ

・絞り優先モードはF値を固定することができる
・カメラは自動的にシャッター速度を調整して明るさを保つ
・絞り優先モードでは被写界深度(ピントの合う範囲)をコントロールできる
・絞り優先モードは、日常使う大半の撮影シーンで使える万能なモード
・条件によってはシャッター速度が極端になるため、写真が失敗しやすい
・周りの明るさやISO感度などを考慮して、最適な条件を考えるとよい

絞り優先モードが使いこなせるようになれば一人前です。わからなくてもまずはいろいろ条件を変えて撮影していくことで「この設定ならこうなるんだ」となるように、徐々にわかるようになってきます。絞り優先モードを使えるか使えないかで、写真の表現力の幅にも大きな差がでますので、是非マスターしておきましょう、。

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