デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座

F値とは

最終更新日:2019年5月15日

F値とは、絞りの開き具合(光の取り込む穴の大きさ)を数値化したもので、別名で絞り値ともいいます。
絞りはレンズによってその開き具合を調整することができますが、どれくらい絞っているのかをわかり易く把握するためにF値が使われます。
ここでは絞り値を数値化したF値についてご紹介していきたいと思います。

F値はレンズを通る光の量を数値化したもの

レンズには光の入る量を調整する絞り羽根と呼ばれるものがついています。穴の大きさを大きくすれば光はたくさん入りますし、逆に小さくすると光を少しだけ通すことができるようになります。

絞り羽根はレンズの内部にあるため、穴の大きさが今どれくらいになっているのかを容易に外から確認することが難しく、条件を設定するにしても「大体これくらいの穴の大きさ」というようなアバウトなことでは正しい設定ができません。

そこで、今どれくらいの穴の大きさ(光が入る量)になっているのかをわかりやすく数値化したものをF値と呼んでいます。



数字が大きいほど光の通る穴は小さくなる

下の図はF値の特性を一覧表にしたものです。一般論としては、数値が大きいほど光の入る量が多くなると思われがちですが、F値の世界では全く逆であり、数字が大きいほど光の通る穴は小さくなり、光の入る量が少なくなります。

F値の特性

F値はレンズの焦点距離を有効口径で割った値のことを言います。この計算式や説明をしていると難しいので、数値が小さいほどたくさんの光を取り込めると覚えておけばOKです。

F値は数値が小さいほど絞りが開放されている状態で、数値が大きいほど絞り込んでいる状態になります。勘違いする人も多いので注意しましょう。

F値が低いほど背景がよくボケる

F値が低いほど被写界深度が浅くなり、より背景がボケやすい特徴を持っています。理論的に説明すると非常に難しいのでここでは説明しませんが、絞りを開放するとピントの合う範囲が狭くなるため、ピントが合っている被写体より奥や手前が容易にボケてくれます。主題を目立たせる目的やポートレート写真に向いた写真が撮りやすいメリットがあります。

F値によるぼけ方の違い
上の写真のように、F値がF1.4の場合は奥や手前がふわっとボケる写真になり、F値を大きくするにつれてボケが弱くなり、F22まで上げるとフレーム全体がシャープに写るようになります。
主題を強調したい場合は、F値を小さくして背景や手前をぼかすとよいでしょう。

F値が小さいほど速いシャッター速度で写真が撮れる

F値が小さいほど光の取り込める量が増えるため、短い時間で露光させることができます。つまり絞りを開放すれば速いシャッター速度で写真が撮れるため、手ぶれを防いだり、低いISO感度で高画質を保ったままの手持ち撮影が容易です。
考え方を変えれば、F値を大きくすれば光の量が少なくなるため、露光させるには長い時間が必要になります。あえてスローシャッターで撮影したりするなど、意図的にシャッター速度を遅くしたい場合にはF値を大きくすれば解決します。

F値によって同じレンズでも画質が変化する

F値による画質の変化
上の図は、F値による画質の変化をグラフ化したものです。一般的なレンズはF値を目一杯小さくした状態(開放F値)では画質が低下します。全体的な解像感が失われ、全体的に眠い写真(ふわっとしたような)になります。
F値を少しずつ小さくして、程よく絞ると解像感が高まり画質が向上します。しかしF値を大きくしすぎると、回折と呼ばれる現象が発生し、また画質が悪くなります。
これはレンズの性能によっても大きく変化するため、光学性能の高いレンズであれば開放F値にしても画質が低下しにくいものもありますし、最も画質が高くなるF値もレンズによって異なります。

F値の範囲はレンズによって異なる

F値の範囲はすべて同じではなく、レンズごとに異なります。例としてF1.4~F22の間でお話をしてきましたが、レンズによってはこれよりも範囲が狭かったり、広かったりする場合もあります。

開放F値とは、絞りを最大まで開けた状態のことで、そのレンズの明るさを判断する指標の1つになります。開放F値が小さいレンズほど、たくさんの光を取り込むことができます。焦点距離が固定の単焦点レンズでは、レンズの構造が単純であるため比較的開放F値の低いレンズが多く、レンズの構造が複雑なズームレンズは開放F値が高いレンズが多くなっています。

F値の違い
この図は、代表的なレンズを3つのカテゴリに分けて表記したものです。

レンズAはある単焦点レンズのF値の範囲です。開放はF1.8で、最小絞りはF22です。単焦点レンズは比較的開放F値が低いものが多く、F1.2~F2.8くらいまでのものが出回っています。最小絞りはF22くらいのものが多く、F5.6~F8くらいで画質が向上します。

レンズBは、高級ズームレンズと呼ばれるもので、どの焦点域でも開放F値が変化しない、いわゆる通しレンズと言われています。ズームレンズはF2.8が開放F値の限界と言われており、最小絞りはF22くらいのものが多く出回っています。

レンズCは、廉価版のキットレンズに多いもので、広角側と望遠側で開放F値が異なる構造になっていて、最小絞り値も広角と望遠で異なります。特に望遠側では光を多く取り込むことが苦手なので、シャッター速度が遅くなりやすく、手ぶれのリスクが大きくなるデメリットがあります。

これだけの要素ではありませんが、一般的に開放F値が小さい(明るいレンズ)ほど値段の高いレンズ(性能の高いレンズ)となる傾向があるので、例えばズームレンズで開放F値がF2.8のレンズだと、明るい良いレンズだと言われています。
単焦点レンズは構造上明るいレンズにするのが得意であるため、一般的なものでも開放F値がF2やF1.8などが主流です。高性能なものになるとF1.2やF1.4などのレンズも発売されています。一部F1やF0.95など、驚異的な明るさのレンズも発売されていますが、実用的なものではありません。

一方絞り込むほう(F値が大きい)もレンズごとに限界があります、一般的にはF22からF38くらいです。

F値の増え方は一定ではない

F値は等間隔に並んでいるわけではなく、一定の法則に基づいて変な増え方をしています。カメラ側の絞り値の設定を見ても、F1.4⇒2⇒2.8⇒4⇒5.6⇒8⇒11⇒16⇒22と変化(1段ごとの場合)していき、その上昇値が一定ではなく、数値が大きくなればなるほど上昇する値も大きくなります。ですから数値が大きくなりすぎたため、急激に光の入る量が少なくなる… ということではありません。

F値の増え方

計算式はとても難しいので初心者が覚える必要はありませんが、このステップが1段となり、例えばF2.8からF2にF値を変更すると光の入る量は2倍になり、逆にF2.8からF4に変更すると光の入る量は1/2になります。



F値とはとは まとめ

・F値はレンズを通る光の入る量を数値化したもの
・F値が小さいほど光の入る量が多くなり、大きいほど少なくなる
・F値を変えることで画質が変化するため、被写体に応じて調整すると楽しい
・そのレンズの目一杯の低くできるF値のことを開放F値と呼ぶ
・開放F値と最大絞り値はレンズによって異なる
・開放F値はそのレンズの明るさの指標となる
・F値の増え方は一定ではない

F値は絞り穴の大きさを数値化したもので、条件を設定するうえでもとても大切な要素です。ここでは初心者向けの解説になるので、数値が小さいほど絞り穴が大きくなり、数値が大きいほど絞り穴が小さくなるということを覚えておきましょう。

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