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比較明合成で流れる星空写真を作ろう





流れる星が線になった上のような写真、一度は見たことがありませんか?、このCGのような画像、特殊な機材や知識がないとできないと思われがちですが、機材の進化や便利なアプリの登場により意外に簡単にできるようになりました。ここでは比較明合成で作る、流れる星の軌跡写真の作成方法をご紹介したいと思います。




比較明合成の仕組み

比較明合成(ひかくめいごせい)は、とても難しい言葉に見えますが、「複数の写真の同じ場所を比較してるい場所だけ合成する」という意味で、同じ構図で複数の写真の明るい場所だけを寄せ集めた合成写真のことです。
星空だけではなく、ホタルが乱舞する写真や、道路を流れる車のヘッドライトなども複数の写真を合成して作られています。



上の図は4枚の写真の明るい部分だけを合成した写真です。道路に流れるライトがいろんな方向から流れていますよね。1枚だけでは物足りない写真でも、複数の写真を合成することで豪華でボリュームのある写真に仕上げることができます。

星空の合成写真はこれよりずっと枚数を多くして、100枚や200枚という写真を合成して作成します。




撮影に必要なもの

比較明合成用の写真は、等間隔で撮影した複数の写真が必要になります。
基本的には星空を撮影してみように紹介している三脚とカメラの他に、等間隔でシャッターを自動的に切るタイマーレリーズという道具があると便利です。

※最近のカメラにはインターバル撮影機能・タイマー撮影機能がカメラについている一眼レフカメラもあります。このような機能が搭載されているカメラはリモートレリーズを買う必要がないので、準備する前にカメラにその機能が付いていないか確認しましょう。



タイマーレリーズはシャッターを開ける時間、シャッターの間隔、撮影枚数などを決めることができるもので、予めプログラムしておけば、面倒な等間隔のシャッターもほったらかしでOKの優れものです。

タイマーレリーズはなかなか良い値段なので、シャッターボタンを押し込んだままロックできるレリーズがあれば、タイマーレリーズがなくても撮影は可能です。

タイマーレリーズは、CanonやNikonなどの純正品は結構高いです。品質はそれなりに良いですが、汎用品の割安なものもたくさん発売されていますので、予算と相談して購入してください。タイマーレリーズは一般的なレリーズの代わりにもなりますので、レリーズ系を何も持っていない方はこれ1つあれば十分です。

 
汎用品でおすすめはロワジャパンから発売されているタイマーレリーズです。値段も安い割に結構使えますので、コストパフォーマンスは抜群です。※Canon用、Nikon用などがありますので、購入間違いにご注意ください。





星空撮影の場所や時間選び

比較明合成用の写真撮影の場合は、特に星空が良く見える場所を選ぶ必要もありません。逆に何か街の風景や夜景などを一緒に入れてみても良いと思います。
よりたくさんの星の軌跡を撮りたい場合は、やはり光害が少ない郊外や山の上に行った方がたくさんの星を撮影できます。
月夜は月の光が強すぎて星がなかなか写りませんので、満月は避け、それ以外は月が出ていない時間を見計らって撮影しましょう。

比較明合成用の写真は連続で長い時間撮影しなければいけません、できれば雲がほとんどない快晴の夜を選びましょう。雲が多いと雲が通過している時間だけ星が撮れず、線ではなく破線のようになってしまいます。

また、風の全くない日は夜露が下りる可能性が高いので、少し風が吹いている日が望ましいです。




撮影の設定など

基本的には星空撮影と同じですが、比較明合成用の写真なので、ISO感度を落として画質を上げ、少しシャッターを長めにするのがコツです。

撮影モードをバルブモード(B)に設定します。入門機ではバルブモードのスイッチがないので、マニュアルモード(M)にして、シャッター速度を「BULB」になるまでダイヤルを回します。




Canonのキスデジ系の場合は、MにしてダイヤルをBULBが表示されるまでダイヤルを左に回し続けます。



フォーカスモードはマニュアルフォーカス、よく忘れるのが手ブレ補正スイッチです。写真のようにONではダメです。必ずOFFにしてください。

せっかくならダイナミックな星の軌跡を撮りたいので、使うレンズは広角レンズをおすすめします。18-55mmなどの標準ズームレンズしか持っていない場合は18mmの広角側にセットします。

F値はそのレンズの開放F値、(キットレンズならF3.5、単焦点レンズならF2.8やF1.4なども更に明るくできるレンズもあります)

ISO感度は400~1600くらいに合わせますが、最初はISO800くらいに合わせましょう。(単焦点レンズでF値がF2.8以下の場合や、街中など結構空が明るい場所ならISO200~400程度でも十分です)

ホワイトバランスは任意でOKですが、空の青っぽさを出すなら蛍光灯や白熱電球のプリセットにします。RAWで撮影していもいいですが、後ですべてJPEGに変換する必要があります。

ピント合わせはライブビュー機能を使うと合わせやすいです。詳しい合わせ方はこちらで紹介していますので、どうぞご覧ください。


設定ができたら、まず1枚撮影してみます。タイマーレリーズを取り付けているかと思いますが、タイマーレリーズ機能は使わず、とりあえず普通にシャッターボタンを押して撮影します。

バルブモードの場合は、ボタンを押している時間の間だけシャッターが開く仕組みですから、シャッターボタンは押しっぱなしにします。指が疲れると思うので、ボタンをスライドさせればロックがかかり、手を放しても大丈夫です。
シャッターを開いている時間は、60秒で試してみます。60秒経過したらシャッターボタンを戻してシャッターを閉じます。そこで出来上がりの写真を確認してみてください。

空が暗くて星があまり写っていないようならISO感度を1段上げます。(800なら1600まで上げる)、空が明るすぎる場合や眩しい場合はISO感度を1段下げます(800なら400まで下げる)、これを繰り返し、いい感じの明るさになるまでISO感度を調整します。



F2.8 ISO400 撮影時間60秒、これくらいの明るさが理想ですね。




タイマーレリーズを設定しよう



タイマーレリーズの設定は上の表のようになっています。

SELF:セルフタイマー (DERAY:遅延と表示する場合もあり)
スタートしてから1回目の撮影が始まる時間、星空の場合はすぐスタートさせるので0秒でいいですが、例えば2時間後に撮影をスタートさせる場合は、02:00:00と設定する。

LONG:露光時間
シャッター速度を設定します。今回は60秒なので、00:01:00(1分)とセットします。1秒から99時間99分59秒まで設定できます。

INT.:撮影間隔
1枚目を撮影し終わってから、2枚目を撮影するまでの時間を設定します。0秒と設定するとエラーを起こすので、ここでは1秒を設定します。

FRAMES:撮影枚数
撮影枚数を設定すると、その撮影枚数に到達した時点で撮影を終了します。上の図のように3回撮影して終わりたい場合は3とセットすれば3回撮影後自動的に停止します。
撮影枚数を60にセットしておけば、撮影間隔を入れておおよそ1時間で撮影を終えます。0にセットすれば自分が止めるかカメラのバッテリーがなくなるか、メモリーがいっぱいになるまで無限に撮影を続けます。

基本的にはこの4つを設定して自動的に撮影するようにします。詳しい操作方法は機種によって若干の違いがあるので、取扱い説明書を参考にしてください。

設定が終わったら、スタートボタンを押します。うまく設定されていれば、1分撮影後1秒休憩、また1分撮影後1秒休憩を繰り返します。繰り返しを確認したらそのまま放置しても大丈夫です。夏ならぼ~っと星空を見つめながら待ってもいいですし、冬は寒いですから車などの中で過ごしましょう。

1時間でおよそ15度星が移動しますので、1時間あれば十分ですが、もっと長い星の軌跡を撮りたい場合は2時間、3時間と長くします。
1時間で50~60枚の写真が撮影できていればOKです。



タイマーレリーズがない場合

タイマーレリーズがない場合でも、シャッターを押したままロックできるレリーズがあれば、連続撮影が可能です。

タイマーレリーズを使わない場合の設定方法
撮影モード:マニュアル
絞り:開放
シャッター速度:30秒(それ以上長くできる場合は1分でも可)
一般的なデジタル一眼レフカメラならマニュアルモードで最長30秒のシャッター速度となるカメラが多いようです。
ISO感度:ISO800~ISO1600
ホワイトバランス:任意でOK
ドライブモード:連写撮影(ここがポイント)

ドライブモードを1枚撮影から連写撮影に変更します、連写にするとシャッターを押している間ずっと撮影を続けます。本来動きの速いものを撮ったりする時の機能ですが、星空の連続撮影にも使えます。

しかし、30秒が一般的に最も長くできるシャッター速度なので、ISO感度は若干高めに設定しておきます。
ここでも本番前に何枚か撮影してみて、ベストな明るさになるように調整してください。




連続撮影の注意点

連続撮影での注意点をご案内します。せっかく長い時間をかけて撮影するのに、失敗したくないですよね。

■撮影中はカメラ・三脚を動かさない
比較明合成の連続写真は定点撮影が絶対です。撮影中は絶対にカメラや三脚を動かさないようにしてください。動かしてしまったらまた最初からやり直しです。

■バッテリー切れに注意
連続写真はバッテリーをかなり消耗します。特に寒い冬場はよりバッテリーの消耗が激しくなるので、バッテリーはフル充電で撮影を開始してください。複数回撮影したい場合は予備のバッテリーも準備しておきましょう。

■夜露に注意
湿気が高く風のない日や、放射冷却が強く霜が降りるような日は、カメラのレンズが夜露で曇ります。撮影中カメラを動かしたりレンズを拭いたりできない上、実は結構な頻度で発生するので厄介です。
弱い風がある日に撮影するのがベストですが、レンズを温めると結露しないので、レンズに巻くヒーターなども発売されています。


※モバイルバッテリーで稼動するおすすめタイプ
http://www.geocities.jp/tpkkagato/syouhin/hi-ta-.htm
ヒーターは上記でも発売しております。

■盗難に事故に注意する
一度タイマーをセットすれば、後は放置するのみですが、人が多い場所では盗難や三脚を引っかけられて倒される事故の可能性もあります。常にカメラが見える場所で待機し、設置場所にも注意しましょう。




撮影した画像を比較明合成しよう

撮影が終わったら早速パソコンを使って比較明合成をしてみましょう。以前はPhotoshopなどの有料ソフトを使い、面倒な方法で合成しなければなりませんでしたが、最近では無料のフリーソフトを使って簡単に合成できるようになりました。アプリの力ってすごいですね。

ということで今回ご紹介するソフトは、星空つづり様が作成・配布しているSiriusCompという比較明合成のフリーソフトです。

公式サイトから無料でダウンロードできますので、まずダウンロードしてご自分のパソコンで使える状態にしてください。

手順1
JPEG形式の連続写真データを準備します。撮って出しそのままでも良いですが、画像データが大きすぎると処理にとても時間がかかります。ある程度小さくリサイズしておくのがおすすめです。画像の大きさはすべて同じにしてください。

手順2
SiriusCompを起動します。以下のような画面が表示されます。


操作はとても簡単で、①~④とありますが、保存先の場所を選んだ後、比較明合成する画像ファイルを選ぶだけの数回の操作だけでOKです。

手順3
①基本設定を選びます。他には動画作成、静止画合成オプションとありますがここでは無視してかまいません。

②JPEG/TIFFを選びます。

③保存先ファイル名を選択します。「参照」をクリックすると以下のような画面が出てくるので、保存先を選択します。わかりやすいのはデスクトップに保存する方法かと思いますので、下図を参照してください。



④最後に画像ファイルを指定して比較明合成のボタンを押すと、どの画像を合成するか選ぶ画面が表示されます。星の連続写真が保存してあるフォルダを選び、すべての画像を選びます。1つ1つのファイルをすべてドラッグして選択するなりしてすべての画像を選んだ後「開く」をクリックします。失敗して1つだけ画像を選択しないように注意してください。

⑤成功すると下の図のような処理画面が表示されます。右画面に少しずつ合成されていく様子が確認できると思います。合成速度はパソコンのスペックや写真サイズの大きさや合成する枚数によって変わってきますので、気長に待ちましょう。
あまりに時間がかかりすぎる場合は写真サイズが大きすぎる可能性があります。



完了したら、デスクトップ画面に出来上がった画像を確認します。うまく流れる星写真が出来上がっていたら完了です。


便利なソフトでより簡単になった比較明合成、これを機会にぜひ流れる星空写真を作ってみてはどうでしょう。

星空撮影については以下のコンテンツでも詳しくご紹介しています。

星空を撮影してみよう

星空撮影応用編



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