デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座

写真のヒストグラムを理解しよう

最終更新日:2019年5月2日

デジタル一眼レフカメラの液晶画面や画像加工ソフトなどで、写っている画像とともに現れるグラフのようなものを見たことはありますか?写真の構図や明るさが変わると、目まぐるしくグラフの表示も変化しますが、あれは画面をカッコよくするためのエフェクトやギミック表示ではなく、実は写真を撮るうえでとても大切なものなのです。ここでは写真撮影でのヒストグラムの見方や活用法などをご紹介いたします。

ヒストグラムとは

ヒストグラムは、世間一般では度数分布図と言われており、横軸に階級を示し、縦軸に度数を示すようになっています。各階級に応じてその度数を長方形の長さで表すことができ、どの階級のものがどのくらいいるのかがよくわかるようになっています。言葉で説明しても難しいと思いますので、下の図を見てみましょう。

厚生労働省の古いデータから抜粋しましたが、日本の所得金額の分布図です。横軸は所得の大きさ、縦軸はその割合をしてしたものです。2000万円以上お給料をもらいたいものですが、全体の1.2%しかいないですね。このようにどれくらいの階級のものが、どれくらいあるのかが一目でわかります。

話を写真に戻しますが、写真の世界でのヒストグラムは、横軸の階級に明るさ、縦軸にその画素数(点)を積み上げたグラフであり、この写真がどれくらいの明るさをもっているのかなど、露出レベルの傾向や写真全体の諧調を確認する目安になります。



上の図は写真のヒストグラムです。デジタルカメラの写真データは、一つ一つの点(ピクセル)の集まりで構成されています。当然写真の中には暗い部分や明るい部分がありますが、ヒストグラムとはどれくらいの明るさの点がどれくらいあるかをわかり易く示した表です。

一番左は真っ黒(照度0)で右へ行くほど明るくなり、一番右は真っ白(照度255)となります。縦の軸はその明るさの点がどれくらいあるかを示したものです。もちろん棒が高いほどその割合は多くなります。

それでは、ヒストグラム見て何が分かるか・・・というと、極端に明るくなったり暗くなったり、露出に失敗したり、不自然なコントラストになっている写真を、ある程度ヒストグラムを見ることで判別できてしまう。ということです。

ヒストグラムを見ながら写真の特性を理解しよう

それでは実際にヒストグラムを見ながらその写真の特性を理解してみましょう。

■明るさのバランスが良い写真

暗い部分や明るい部分が程よくあり、明るさのバランスが良い写真とは、山が左右に傾くことなく平均的であることが分かります。

■明るい成分が多い写真

全体的に明るい雰囲気の写真は、明るいピクセルが多いため全体的にグラフの右寄りに積み上げられて表示されます。

■暗い成分が多い写真

逆に全体的に暗い雰囲気の写真は、見てわかるようにグラフの左寄りに積み上げられて表示されているのがわかります。

このようにヒストグラムを見ることで、写真の諧調や露出レベルがどのようになっているのかを確認することができます。

極端な露出にするとどうなるか

それでは次に、同じ構図で露出の条件を変えて撮影してみました。


この写真のヒストグラムを見てみると、右端が積み上がったままになっています。それに右端が突出しているのがよくわかりますね。これは照度255(真っ白)の部分がたくさんあるという意味です。写真を見ても空や壁の一部が真っ白になっています。これは白飛び写真といって、明るい部分の諧調が失われて白一色になっている状態です。後で編集をしようとしても、白で記録されているため暗くすることができなくなります。これは露出の設定を明るくしすぎたためですが、撮影後にヒストグラムを見れば右肩が上がっているのですぐにわかります。


今度は露出の設定を暗くして撮影してみました。この写真のヒストグラムを見ると、左側が積みあがったままになっており、左端が突出して途切れているのがわかります。これは照度0(真っ黒)の部分がたくさんあるという意味です。見てわかるように今度は空や壁ははっきりとわかりますが、手前の通路や右下の植え込みなどは真っ黒で何かわかりませんね。このような写真は黒つぶれと呼ばれ、暗い部分の諧調が失われて黒一色になっている状態です。白飛びと同じく真っ黒で記録されているため、あとから編集しても明るくすることはできません。ヒストグラムを見れば暗くしすぎたことが一目でわかります。


最後はヒストグラムの傾向を目安に、白飛びや黒つぶれがしない明るさで撮影してみました。空や壁の色も判別できますし、植え込みや手前の通路もよく見えます。夕暮れで明かりが灯る雰囲気もよくわかりますね。ヒストグラムを見れば両端に偏っていることもなく、バランスがよい明るさになっていることがわかります。

コントラストの強さもヒストグラムで判別できる

コントラストとは明暗差のことであり、コントラストの強い写真とは明暗差が大きい写真のことを言います。コントラストは撮影した写真データをレタッチ(編集)することで人工的に強弱をつけることもできますし、逆光や明暗差が大きい(小さい)被写体を撮ることでも左右されます。

■レタッチソフトで人工的にコントラストを強くすると

コントラストが強すぎる写真にしてしまうと、ヒストグラムの左右に積み重ねが見られ、中央が少なくなる傾向になります。明るいものはとことん明るく、暗いものはもっと暗くという処理をしているためです。作品としては外国人やSNS受けしやすい感じですが、やりすぎると不自然になるため注意が必要です。

■レタッチソフトで人工的にコントラストを低くすると

コントラストが弱い写真にしてしまうと、ヒストグラムの左右にスペースができ、真ん中付近に積み上がりが集中しています。全体的に中間の色が多いため、インパクトの少ないのっぺりした写真に仕上がりました。
■明暗差が大きい被写体

レタッチソフトを使わない自然の状況下でも、ヒストグラムの左右端が積み重なってしまことがあります。この写真は、編集をほとんど行わず撮って出しで現像しました。例えば逆光の状態や、室内と屋外を同じフレームに入れてしまうと明暗差がとても大きくなるため、このようなヒストグラムになることがあります。

ヒストグラムのチェックは露出確認の目安に

ここまでヒストグラムの味方や写真の特性についてご紹介してきましたが、これらはあくまで「このような写真はこんなヒストグラムになる」というだけであり、どれが正解でどれが間違いということではありません。
一番最初にご覧いただいた、「バランスの良い写真」というものもありますが、ヒストグラムについてわかりやすく説明するために、あえて色のバランスがよい写真を紹介したまでであって、必ずヒストグラムのバランスがよい写真にする必要はないのです。
人によっては明るい要素がたくさん入った写真を好む人もいれば、コントラストが大きいバキバキの写真が好きな人もいます。もちろん被写体によっても変化しますから、夜の風景や日中の風景の違いでもヒストグラムは激しく変化します。

あえて黒つぶれの部分を多くしてローキーな写真にしたり、白飛びしている部分をハイキーにして作品にするのもひとつのテクニックです。片寄りは絶対にあってはならないというわけではありませんので、ヒストグラムは目安として考えるようにしましょう。

RGBのヒストグラムって何

実はヒストグラムには2種類あり、ここまでご説明してきたものは「照度」、つまり明るさになりますが、ヒストグラムには明るさのほかに「RGB」の成分があり、色のバランスを見るための目安としても使われます。
デジタル一眼レフカメラには、撮った写真を再生する画面でヒストグラムをみることができますが、全体の照度のほか、レッド、グリーン、ブルーの色でそれぞれの照度を表示することもできます。これも左側は暗く、右側が明るく表示されます。
それぞれの色で照度を確認できるため、より詳細な設定や調整ができますし、慣れてくるとホワイトバランスを決める目安にもなります。ちょっと難しいのでここでは詳しく説明はしませんが、興味のある人は調べてみるとよいでしょう。

デジタル一眼レフカメラでヒストグラムを表示するには

デジタル一眼レフカメラには、撮影した画像に対してヒストグラムを表示できる機能がついています。詳しくは取り扱い説明書などを見て、ヒストグラムを表示する機能を呼び出せばOKです。

Canonデジタル一眼であれば、再生中にINFOボタンを押すことでさまざまな情報を見ることができます。

また、最近の機種であればライブビュー撮影時にリアルタイムでヒストグラムを表示させることもできます。

写真のヒストグラムを理解しよう まとめ

・ヒストグラムは、横軸の階級に明るさ、縦軸にその画素数(点)を積み上げたグラフ
・ヒストグラムを見ることで、その写真の露出の具合や諧調の変化がわかる
・ヒストグラムの特性から、白飛びや黒つぶれなどを容易に見つけることができる
・コントラストの強さなどもヒストグラムでチェックできる
・ヒストグラムはあくまでも目安、自分の写真スタイルを優先的に考える
・ヒストグラムが見れることで露出のチェックや、その後のレタッチにも役立つ

ヒストグラムの特性を理解しているとしていないで、写真の出来栄えにはやはり大きく違ってきます。撮影後小さな液晶画面では状態の詳しいチェックはできませんが、ヒストグラムを見ることで、適正な露出になっているのか?明るさが片寄っていないか?というのは即座にチェックできます。上記を参考にヒストグラムの特性を理解し、今後の撮影に役立ててみてください。

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