デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座

シーンによるISO感度の使い分け

最終更新日:2019年5月2日

ISO感度(イソかんど・アイエスオーかんど)は撮像素子が光に対してどれだけ敏感に反応するかを数値化してもので、シャッター速度や絞り値に次いで重要な要素のひとつです。一般的にはISO感度を最も低感度にすることで高画質撮影が可能ですが、シーンによってはISO感度も使い分けることによって撮れないものが撮れたり、動きを表現させることもできます。ここではシーンによるISO感度の使い分けについてご紹介したいと思います。

画質を重視するのなら低感度で

ISO感度は、基本感度がカメラに設定されており、一般的にはそのカメラで設定できる最も低い感度のことを基本感度と呼んでいます。

ISO感度は基本感度にすることで、イメージセンサーの性能をフルに発揮できる状態になります。ISO感度をそれ以上上げるということは、単に光を読み取る電気信号を増幅させているだけなので、言ってみれば背伸びして光を吸収していることに過ぎません。ISO100~200くらいで撮影することで、ノイズが少ない写真を撮ることができます。

反面、ISO感度を低くすると、イメージセンサーに十分な光を当てる必要があるため、シャッター速度が遅くなるという副作用があります。シャッター速度を速くするには、明るい場所で撮影するか、明るいレンズを使って絞り値を開放するかしかありません。三脚を使えば手ぶれの心配はなくなりますが、被写体が高速で動いている場合は被写体ブレを起こしてしまう可能性もあるので注意しなければなりません。


撮影するシーンとしては、明るい屋外での手持ち撮影や、三脚を使った風景撮影、ノイズをあまり乗せたくないポートレート撮影、三脚を使用してスローシャッターにする夜景などの撮影に向いています。

画質と実用性のバランスが良い中感度

カメラやイメージセンサーの性能にもよりますが、現在発売されているようなデジタル一眼レフカメラは、ある程度ISO感度を上げても、急激に画質が低下するわけではありません。中程度のISO感度と言われているISO400~800は、画質と実用性のバランスが良いため、室内や少し暗い屋外でも安心して手持ち撮影ができるおすすめの設定です。

ISO感度を中感度にすることで、ある程度暗い場所でも速いシャッター速度で撮影することができるようになります。また、明るい日中であれば超高速シャッターも実現できますので、被写体ブレを大きく抑えることができたり、速く動いているものを止めたりできます。
何かと便利なゾーンですが、画質が中途半端になりがちですので、風景や夜景などにはあまり向きません。


撮影するシーンとしては、手持ち撮影によるスナップ写真、レースや試合、運動会など被写体が激しく動くシーン、動きの速いものを止める撮影、室内などやや暗い場所での撮影などに向いています。

使うシーンが限られるが、いざというときに役に立つ高感度

高感度ゾーンはISO1600以降ということになりますが、結論からいきますと、一般的な撮影シーンとしてこの高感度ゾーンを使うことはほとんどありません。それは、どれだけ高性能なデジタル一眼レフカメラであっても、ISO1600を超えたあたりから画質の低下が大きく目立ち始めるからです。

とは言いましても高感度を全く使わないことはなく、非常用・応急用としてはとても重宝します。
例えば、鍾乳洞などとても薄暗い場所で三脚もない… という場所では、大胆にISO感度を上げてしまえば手持ち撮影も可能です。画質は悪くなってしまいますが、何も撮れないのと比べれば、撮れるだけでも大きなメリットと言えます。


また、暗い場所での高速シャッターが必要な場合や、光の量がとても弱い星空の撮影などには高感度撮影が重宝します。

手持ち撮影をメインにするなら、ISOオートで上限を決めておく

「その日は一日手持ち撮影をする」という場合は、ISO感度をオートにしておくことで、暗い場所になると自動的にISO感度を上げて撮影ができます。速いシャッター速度を確保してくれますので、手ぶれの心配が少なく安心です。特に屋外と室内を出入りするようなシーンでは非常に重宝します。
それでも「これ以上ISO感度を上げたくない」というこだわりがあれば、ISOオートでの上限値を決めておくことができます。例えば上限値をISO800にしておけば、どれだけ周りが暗くなってもISOは800より上がることはなくなりますので、画質低下を防ぐことができます。(PモードやAv、Tvモード撮影時)

画質にこだわるならISO感度を固定して、絞りとシャッター速度で調整する

ISO感度の違いによる画質も、正直カメラの性能にかなり左右されます。APS-Cサイズのエントリーモデルのカメラより、フルサイズの高性能カメラのほうがより高感度でも高画質で撮影することができますし、当然古いモデルよりも新しいモデルの方がイメージセンサーの性能が上がっているため、感度を上げても画質の低下が少なくて済みます。

重要なことは今持っているカメラの限界を知っておくことで、「このISO感度ならこれくらいの画質になる」というのを自分で把握しておくことが大切です。そうすることで「ここならISO400まで上げても大丈夫だろう」や「ここはもっと低感度で撮るべき」という自分のルールが出来てくるはずです。

上手な人は「ここはこのISO感度で」というのを最初に決めておき、ISO感度を固定したうえで、絞りとシャッター速度を組み合わせながら撮影を行います。被写体が暗すぎてどう設定してもこのISO感度では撮れない場合は、ISO感度を一段上げたりしながらギリギリのラインを狙います。

最初のうちは難しいかと思いますが、慣れてきたら自分が納得できるISO感度を選びながら撮影することが上達への近道と言えるでしょう。

シーンによるISO感度の使い分け まとめ

・低感度は明るい日中の撮影や風景、夜景におすすめ
・中感度はスナップ写真や動き重視の被写体に向く
・高感度は応急用や特別なシーンで使うことができる
・手持ち撮影メインなら、ISOオートにして上限を設定しておくとよい
・慣れてきたらISO感度を固定して、自分なりのルールを作りながら撮影するとよい

慣れないうちは上記のようにシーン別でISO感度を使い分けるようにし、画質の良し悪しが把握できるようになってきたら自分でISO感度のルールを作り、シーンに合わせてISO感度を固定しながら撮影することが大切です。ISO感度を上手に使い分けて最適な写真を撮ってみてください。

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