デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座

高倍率ズームレンズを使おう

最終更新日:2019年5月2日

レンズ1本で広角から望遠まで幅広い撮影ができる高倍率ズームレンズ。長年一眼レフカメラをやっている人からみれば「あれは邪道だ」とよく言われますが、果たして本当にそうなのでしょうか。画質がネックだと言われてきた高倍率ズームレンズですが、近年では技術も進み、正に「鬼に金棒レンズ」になりつつあるようです。ここではメリットやデメリットを考えながら、高倍率ズームレンズについてご紹介したいと思います。

高倍率ズームレンズとは

ズームレンズといえば、焦点距離が可変できるレンズのことを指します。入門機に付属されているような標準レンズなどでは、焦点距離が18~55mmなどとなっており、おおむね3倍程度のズーム幅があります。一般的なズームレンズにおいても2~4倍程度のズーム幅のレンズが多く、広角なら広角、標準なら標準と、そのレンジで焦点距離が可変できるようになっています。

一方、高倍率ズームレンズと呼ばれるものは、広角・標準・望遠のレンジ壁がなくなり、1本で広角から望遠まで焦点距離が可変できるレンズのことを言います。18~135mm、18~270mmなど、可変できる焦点距離の幅が広く、中には18~400mmと、倍率が20倍以上と広角から超望遠まで1本でこなせるレンズも登場してきました。


左はAPS-C向けCanon高倍率ズームレンズで、中央は同じくニコンのAPS-C向け高倍率ズームレンズ。1本で18-200mmの実用焦点距離をすべてこなすことができます。
右はレンズメーカーであるタムロンから発売されている高倍率ズームレンズで、18-400mmまで対応。広い景色から月などの天体撮影まで対応できます。

ビデオカメラやコンパクトデジカメでは10倍ズームや20倍ズームといったものが発売されていますが、あれと同じ感覚でデジタル一眼レフカメラで撮影ができると思ってもらえばよいでしょう。

高倍率ズームレンズのメリット

■レンズ1本で広角から望遠までこなせる
使った人しか分かりませんが、高倍率ズームレンズはとにかく便利です。広角と望遠を瞬時に切り替えたいときや、急にやってきたシャッターチャンスでも、自分の決めたい構図や画角で撮ることができますので、このフットワークの軽さは高倍率ズームレンズの1番のメリットかと思います。



■望遠マクロ撮影が得意
高倍率ズームレンズは最短撮影距離が短いため、被写体に近寄って撮影するのも得意です。特に望遠側ではそれなりのテレマクロ撮影も出来てしまうので、ぐっと寄って背景をぼかすことも可能です。



■レンズ交換の手間がない
せっかくレンズが交換できる一眼レフカメラを持っているのに・・・と、これを言ってはおしまいかもしれませんが、レンズ交換をしないまま、高倍率ズームレンズ1本で撮影している人も大勢おられます。レンズ交換の手間がないのはとても楽ですし、短い時間やわずかなシャッターチャンスに、わざわざレンズを取り換えていては、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性もあります。


■撮影機材が少なくて澄む
旅行や山登りなど、できるだけ荷物を少なく軽くしたいときに、たくさんの交換レンズを持っていくは重くて邪魔になります。高倍率ズームレンズであれば1本カメラに取り付けておけばOKなので、機動性に優れるのは間違いありません。



高倍率ズームレンズの弱点

■レンズ自体が重く大きくなりがち
高倍率ズームレンズは幅広い焦点距離に対応できるため、レンズの枚数が多く構成も複雑になっています。そのためレンズ自体が重く大きくなってしまうのが弱点です。しかし近年では高倍率を維持しつつ、軽量化が進んでいるレンズもあります。

■開放F値が大きく、暗いレンズになりがち
高倍率ズームレンズはレンズ構成が複雑なため、光の取り込める量に限りがあります。そのため全体的に暗いレンズになりがちです。焦点距離によって違いはあるものの、広角側でF3.5~4、望遠側ではF5.6~6.3程度の明るさになってしまうため、手ぶれしやすかったり、暗い場所での手持ち撮影は苦手です。

■広角側でのボケが苦手
開放F値が大きいため、広角側では被写界深度が深くなってしまい。被写体と背景の距離差が小さいとあまりボケません。単焦点レンズや明るいズームレンズに比べると広角側でのボケが苦手です。

気になる画質は?

「高倍率ズームレンズは画質が悪い」と言われ続けてきましたが、実際のところどうなのでしょうか。

確かに厳密なチェックや見比べを行うと、単焦点レンズや高級レンズ、倍率の低いズームレンズに比べると、歪曲収差や色収差といった歪みの部分、解像感で劣ってしまうことは事実です。しかし、それは言われてみれば・・・というレベルであり、著書に画質が低下しているわけではありません。

特に普通に撮影したものを、L判サイズ程度に印刷したり、縮小してSNSなどにアップするような大きさにしてしまったら、ほとんど違いはないと思います。

そんな細かい画質のことをあ~だこ~だ言うより、メリットのほうがはるかに恩恵が大きいと言えますので、画質についてはそれほど気にしなくてもよいかと思います。

また近年ではサードパーティー製レンズを中心に、かなり高画質な高倍率ズームレンズも登場してきていますので、今後はシェアを伸ばしていくのではないかと考えております。


高倍率ズームレンズの上手な使い方

ここからは高倍率ズームレンズの弱点をできるだけカバーする上手な撮影方法をご紹介いたします。便利なレンズなのでうまく付き合っていきたいですね。

■明るい場所では適度に絞って撮影する
高倍率ズームレンズはF値が大きく暗いレンズになりやすいですが、それは暗い場所や室内での手持ち撮影などで不利というだけで、日中の明るい場所での撮影ではそれほど気にはなりません。明るい場所では程よく絞ることでレンズの解像感や画質が向上しますので、絞り開放を避けて撮影することがコツです。


このような明るい場所ではF8くらいまで絞って撮るのがベストです

■望遠側で撮影してボケを活かす
高倍率ズームレンズは構造上暗いレンズになってしまうので、広角側ではあまり背景がボケません。望遠側を使うことで被写界深度が浅くなり、背景をキレイにぼかすことができます。広角側で撮影する場合は出来るだけ被写体に寄って撮影しましょう。

望遠側にして被写体にできるだけ近づければ、背景を綺麗にぼかすことができます。

■暗い場所での撮影や望遠側での撮影はISO感度を上げる
高倍率ズームレンズは構造上明るいレンズにはできないため、暗い場所での撮影や望遠側での撮影では、手振れが気になりますね。最近の高倍率ズームレンズは手振れ補正機能が付いているものが大半ですが、それも限界があります。速いシャッター速度を期待できない時は、ISO感度を上げて手振れを補ってあげましょう。

室内などの暗い場所はISOを400~800くらいまで上げればOK。

ダブルズームレンズと高倍率ズームレンズ どっちがいいの?

デジタル一眼レフカメラの入門機では「ダブルズームキット」や「ダブルレンズキット」など、18mm~55mmの標準ズームレンズと55mm~250mm程度の望遠ズームレンズがセットになっているものがあります。
2種類のレンズを交換することで、18mm~250mmまでの焦点距離をカバーできますが、高倍率ズームレンズを使うと18mm~300mm程度までの焦点距離を1本でカバーすることができます。

初心者の方がデジタル一眼レフカメラを購入する場合、大半の人が標準ズームレンズがセットになったレンズキットや、さらに望遠ズームレンズがセットになったダブルズームキットを買われることでしょう。

これらのレンズはコストパフォーマンスがよく、セットになっているためとても安く買うことができます。

一方でボディ本体と高倍率ズームレンズを別々で購入すると、かなり割高になります。画質的にはキットレンズも高倍率レンズも大きな差はありませんので、予算的に余裕があれば初めからカメラボディ単体と高倍率ズームレンズを一緒に買うのがおすすめです。

レンズキットを買ってから高倍率ズームレンズを買うと、結局は高倍率が便利になり、キットレンズはやがて使われなくなってきますね。

■ダブルズームレンズの特徴
・標準ズームレンズ(18-55mm)は軽いのでカメラが重くならない
・望遠撮影する際は、レンズを交換しなければならない
・交換レンズを収納する場所が必要

■高倍率ズームレンズの特徴
・レンズが少し重くなる
・望遠撮影でもレンズ交換が不要
・つけっぱなしでいいので、カメラ以外に収納が不要

高倍率ズームレンズを使おう まとめ

・高倍率ズームレンズは1本で広角から望遠までこなせるレンズのことを言う
・レンズを交換する手間がなくなり、交換時の落下リスクがなくなりシャッターチャンスに強い
・別に交換レンズを持ち歩く必要もなくなるため、フットワークに優れる
・画質は単焦点レンズや高級レンズに比べると劣るが、実用レベルでは問題ない
・レンズ自体が重くなるなど、弱点もあるのでしっかり理解しておく
・上手に使うこなすことで弱点はある程度抑えることも可能

このように高倍率ズームレンズはメリットも多く、特に手軽に一眼レフ撮影をしたい方や、荷物をできるだけ少なくしない人に向いています。上記を参考に高倍率ズームレンズの特徴を理解していただき。検討してみてください。

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