デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座

絞り羽根と光芒の関係

最終更新日:2019年5月2日

明るい太陽を一緒に撮影した時や、夜景などで眩しい照明などを撮影したときに光の帯が現れることがあります。これは光芒(光条)といって強い光がレンズを通った時に絞り羽根の重なった部分から光が漏れて写りこむ現象です。ここでは光芒が出るメカニズムや絞り羽根との関係についてご紹介したいと思います。

光芒は強い光や点光源を撮影することで発生する

光芒とは強い光や点光源を撮影したときに、光と一緒に写り込む星のような形のものを言います。ヒトデのような形のものもあれば、ウニのようにたくさん出ているものもあります。また撮影する条件やレンズによっても光芒が強く出たり、全く出なかったりすることもあるため、初心者の方は「なぜ出るの」と疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。


太陽をフレームに入れて撮影すると、このようにチクチクした光の筋が写ることがあります。これらは光芒や光条と呼ばれており、業界用語?では「ウニ」や「ウニウニ」とも呼ばれています。

光芒の数は絞り羽根の枚数で決まる

下の図は絞り羽根の構造を表したものです。


絞り羽根は複数の羽根を組み合わせて絞りの穴を可変できるようになっているため、羽根と羽根が重なっている部分(つまり穴の角の部分)にはわずかながら隙間があります。光芒はこの隙間から光が漏れることで発生するため、重なっている数の分だけ光芒が発生します。


実際に強い光が入ると、絞り羽根が重なっている部分に光の筋が入ります。また回折という現象によりその反対側にも光の筋が小さく写り込みます。

ここで気づいた方も多いかと思いますが、5枚羽根の方には大小含めて10本の光の帯があります、また6枚羽根の方には大きい光の帯が6本あるのが分かりますね。偶数の場合は中心から対称に重なる部分があるため、反対側の光芒は対角線上の光芒と打ち消し合うため、絞り羽根の数だけ光芒が現れます。
逆に奇数羽根の場合は中心から対称側には何もないため反対側にも光芒が現れます。このため絞り羽根が奇数の場合は、絞り羽根の2倍の数の光芒が現れます。


図のように8枚絞り(偶数)の場合は、光の筋が8本しかありませんが、9枚絞り(奇数)の場合は18本もの光の筋が現れます。好みは人それぞれとは思いますが、光芒の数はレンズの絞り羽根の数に依存するため、カメラの設定で数を変えることはできません。

F値によって光芒の鋭さが変化する

ダイヤモンドのように輝く太陽や、鋭い輝きを放つ夜景写真などを撮りたいと思っていても、思うような光芒が撮れないと思ったことはないでしょうか。実は光芒は絞り穴の大きさによって変化するため、F値を可変することで光芒の現れ方を変えることができます。


ご覧のように絞りを開放しているF2.8では、光芒はほとんど出ず、柔らかい丸い玉のようになります。少しずつ絞っていくと徐々に光芒が鋭くなり、F16まで絞ると完全に星が輝くような光芒になりました。これは絞り込むことによって光の回折が起こることによるものですが、メカニズムを説明すると難しいので、ここでは絞り込むほど光芒が鋭くなると覚えておきましょう。

レンズによって絞りと光芒の現れ方は大きく異なります。F8くらいで鋭い星が出るものもあれば、F32まで絞り込んでもあまり光芒が出ないものもあります。

また、あまりに絞り込みすぎると「小絞りボケ」と呼ばれる現象が起き、解像感が失われます。光芒だけに意識しすぎず、全体のバランスを考えましょう。

光芒のクセはレンズによって異なる

前述では、絞り羽根の数と絞り方によって光芒の現れ方が異なることについて説明しましたが、そもそも光芒の出やすいレンズとそうでないレンズがあるため、「光学性能が高いレンズ=美しい光芒が出る」ということではありません。

光芒は主に夜景撮影などの点光源を美しく見せるために表現されることが多く、一部の夜景撮影ファンの間では、カメラの光学性能よりも、理想的な光芒が出るレンズを集めて撮影している人も少なくありません。また奇数絞り羽根よりも偶数絞り羽根のほうが光芒の筋の数が少なくなるため、より輝きが強調される理由から、偶数絞りのレンズも好まれます。

しかし近年では奇数絞りのレンズも多くなってきており、更に絞り羽根も丸形絞りと言われる自然な形状の絞り穴のレンズが増えつつあるため、美しい光芒があまり出ないレンズも増えてきたようです。ですからあえて光芒が美しいオールドレンズを使って撮影を楽しむ方もいらっしゃいます。

なかなか理想的な光芒が出るレンズを探し出すのは難しいですが、誰かからレンズを借りれる機会などがあったら、条件を変えて試してみるようにしてください。

絞り羽根の数とF値を変えながらさまざまな光芒を表現してみましょう

レンズを変えながら絞り値を組み合わせることでさまざまな光芒を表現できます。条件やご自分の好みに合わせてさまざまな光芒を楽しんでみましょう。


絞り羽根が偶数の場合は、絞り込むことによって星のような輝きにすることができます。


絞り羽根が奇数の場合は同じように絞り込んでも、すこし柔らかい印象の光芒になります。


絞りを開放で撮影すると光芒はほとんど出ず、とてもふんわりとした印象の写真になります。

絞り羽根と光芒の関係 まとめ

・光芒は強い光や点光源を撮影した時に起きる光の回折現象である
・光芒の数は絞り羽根の数に依存し、偶数なら数通り、奇数なら数の2倍になる
・F値を開放することで光芒は柔らかくなり、絞り込むと光の筋が鋭くなる
・光芒の出るクセや特性はレンズ(絞り羽根)によって変わる
・レンズと絞り値を組み合わせることで、さまざまな光芒写真が楽しめる

光芒は絞り羽根の構造や枚数、絞りの加減によってさまざまな表情を見せてくれます。上記を参考にレンズの種類や撮影の条件を変えながら理想的な光芒写真を楽しんでみてください。

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