デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座

ピント位置の合わせ方

最終更新日:2019年5月2日

デジタル一眼レフカメラで撮影する楽しみの1つに「狙った場所にピントを合わせて、奥や手前をふわっとぼかす」という撮り方があります。これらは自分の意図した場所にピントを合わせる必要がありますが、なかなか思い通りの場所にピントを合わせることができない… という人も多いようです。ここではデジタル一眼レフカメラでピント位置を合わせる方法についてご紹介いたします。

全自動モードやシーン別撮影モードでは、任意の場所にピント合わせができない

全自動モードやシーン別の簡単撮影モードでは、ピント合わせやピントを合わせる位置などもカメラが自動的に決めてくれます。これらはとても便利で頼もしい機能ではありますが、「ここにピント合わせたい」など、自分の意図したい場所にピントを合わせることができないのがデメリットと言えます。

全自動モードやシーン別撮影モードでは、基本的には一番手前の被写体や、動いている被写体に対してピントを合わせようとしますので、例えば奥と手前に異なる被写体が複数混在するような構図では、自分がピントを合わせたい場所とは違う場所にピントを合わせてしまう場合があります。

自分で任意の場所にピントを合わせたい場合は、あらかじめピントを合わせる位置「AF枠」を設定しておく必要があり、その枠に被写体を合わせることで、自分の思った場所にピントを合わせることができます。

AF枠を選択しよう

まず最初に、ピントを合わせる位置を決めます。ピントを合わせる位置はAF枠(AFフレーム)と呼ばれており、ファインダーの中にある複数の四角い枠のことをいいます。入門機であれば中心と周囲に計9つ、中級機以上ではさらに多くの枠があり、上位クラスになると60を超える枠があります。(最近の機種では入門機でも30を超えるAF枠があるものもあります)

AF枠を任意に合わせることができるのは、応用撮影モード及びマニュアル撮影モードです。ダイヤルのポジションでは「P・AV・TV・M・B」(メーカーによっては「P・A・S・M・B)などと表示されている場合もあります)で、プログラムオート・絞り優先モード・シャッター速度優先モード・マニュアル撮影モード・バルブ撮影モードで使用することができます。残念ながら全自動モードやシーン別撮影モードでは、AF枠の位置もカメラが自動的に決めてくれるため、任意に設定することはできません。

それでは、AF枠の選択を行いましょう。AF枠は複数あるため、まずはピントを合わせたい枠を指定してあげることから始めます。応用撮影モードを使ったことがない人は、とりあえず撮影ポジションを「P」の位置に合わせてみましょう。
そして、AF枠を設定するボタンを押します。AF枠を設定するボタンは、カメラやメーカーによって異なりますので、説明書等を確認してみてください。


メーカーによって異なりますが、なマークがあるボタンがAF枠を選択できるボタンです。


まずはAF枠を中央の真ん中に設定してみましょう。これで真ん中の枠に被写体を重ねれば、その場所でピントを合わせようとします。

入門機でも上のクラスのものや、中級機クラスのものになると、AF枠が複数あるため、下のような測距エリア選択をしなければならないものがあります。ここでは1点AFを選んで、AF枠を中央に合わせてください。
ちなみにゾーンAFは9つの枠でピントを合わせようとしますので、被写体が大きい場合に有効で、ラージゾーンAFは左・中央・右のいずれかを選択してピントを合わせる位置を決めます。これらは被写体の種類やシーンによって使い分けるとよいですが、ここでは難しいのでとりあえず1点AFでご紹介いたします。また、自動選択AFを使ってしまうと、全自動モードと同じで、カメラでピントを合わせる位置を決められてしまいますので、ここでは選択しないように注意してください。


被写体を中央の枠に重ねて撮影してみる

AF枠を中央に設定したら。ファインダーを見ながらピントを合わせたい被写体と、先ほど設定した真ん中のAF枠を重ねます。


上の図では、ピントを合わせたいコーヒーカップをファインダーの中央の枠に重ねます。重ねたらシャッターボタンを半押しにします。


シャッターボタンを半押しにすると、重ねたAF枠が赤く光り(明るすぎると光らない場合もあり)、ピピっと音がすればピントが合ったサインです。同時にファインダー下の合焦マークが点灯します。最後にシャッターボタンを押し込めば、撮影が完了します。

フォーカスロックを使って構図をずらす

次にフォーカスロックを使って構図をずらす方法をご紹介いたします。よく使う技であり、とても応用が利くので是非習得してみてください。


先ほど説明したのと同じように、AF枠の中央にピントを合わせたい被写体を重ねて、シャッターボタンを半押しにします。


次に、シャッターボタンを半押ししたまま、カメラの向きを動かして被写体の位置を変えてみます。上の図では、紅茶のカップを右下にずらしてみました。このとき、シャッターボタンは半押ししたままなので、ピントは固定されています。この状態をフォーカスロックと呼びます。

シャッターボタンを離さない限り、フォーカスロックは解除されないので、カメラの向きを変えてもピントはティーカップに合ったままになります。このままシャッターボタンを押し込めば、撮影が完了します。
ちなみに、シャッターボタンを一旦離して、そのままの構図でもう一度シャッターボタンを半押しにすると、ティーカップではなく、机の奥にピントを合わせてしまいます。

より精密にピントを合わせたいときは、AF枠を変更して撮影する

上記でご説明したフォーカスロックは手軽で便利な技ではあるものの、カメラから被写体の距離が変わってしまうと、ボケてしまうことがあります。特にカメラから被写体の距離が近い場合やマクロ撮影などは、微量のズレでもピントがずれてしまいますので注意しなければなりません。

構図をしっかりと決めた後でその被写体にピントを合わせたい場合は、AF枠の位置を中央からピントの合わせたい位置にあらかじめ変更しておきます。


上の図は、ティーカップを右下に配置したままの構図にし、この状態でシャッターボタンを半押しにしてみました、あらかじめAF枠の位置を斜め右下(赤いマークの場所)に変えていたので、カメラは中央ではなく右下の枠にピントを合わせます。この状態であればピントは確実にティーカップに合ったまま撮影ができますので、このまま構図を変えずにシャッターボタンを押し込めば撮影完了です。

異なる複数の被写体に対しても、AF枠変更で構図を固定したまま撮影できる

AF枠が任意で変更できるようになったら、例えば同じ構図で複数の被写体がある場合でも、構図を変えずにピントを合わせる位置だけを変更しながら撮影することができます。


上の図のように、ティーカップとコーヒーポーションをそれぞれ配置し、ファインダーの中に納まるようにしました。最初に右下にAF枠を合わせておけば、ディーカップにピントを合わせて撮影することができます。


次に構図を固定したまま、AF枠を左上に変更します。そうすると今度はコーヒーポーションにピントを合わせて撮影することができるようになりました。

構図を固定したままでAF枠を変更する技は、普段の手持ち撮影はもちろん、三脚で固定して撮影する際にも有効です。シビアにピントを合わせたいポートレート撮影やマクロ撮影にも使えますので、是非覚えておきましょう。

ピント位置が合わせられるようになれば、奥ボケ前ボケが自由自在に

AF枠の変更やフォーカスロックなどをマスターできれば、シビアな場所にピントを合わせたり、目的の被写体にピントを合わすことができるようになるので、前ボケや奥ボケなど作品の自由度が一気に広がります。

奥のお地蔵様にピント位置を合わせて、手前の紅葉の葉をぼかしてみました。全自動モードで撮影すると、手前の紅葉した葉にピントが合ってしまい、上手に撮影できません。


奥から手前に並ぶアジサイの花ですが、真ん中の花だけにピントを合わせました。手前も奥もぼけています。全自動モードで撮影すると、手前にピントを合わせたり、奥に合わせたりとその都度ピント位置がコロコロ変わってしまい、上手に撮影できません。


手前の電球にピント位置を合わせて、奥の柱時計をぼかしてみました。


次に似たような構図で柱時計にピントを合わせてみました。全自動モードにしてしまうと、電球にピントを合わせようとしてしまうので、このような写真を撮るのは難しいと言えます。


少しだけ間が空いていたので、菜の花にピントを合わせてみました。全自動で撮影すると、手前の白い花にピントが合ってしまうため、上手に撮影できませんでした。

ピント位置の合わせ方 まとめ

・ピント位置は全自動及びシーン別撮影モード以外で設定することができる
・AF枠の位置や大きさは、撮影前にあらかじめ決めておく
・フォーカスロックを使えば、ピントを固定したまま構図を変えられる
・しっかりピントを合わせて撮影したときは、その都度AF枠の位置を変える
・ピントの位置合わせをマスターできれば、美しい奥行のある写真が撮れるようになる

ピント位置を任意に合わせることができれば、撮影の幅が大きく広がります。特にボケを活かす写真を撮りたいときには必須のテクニックと言えますので、上記を参考にしっかりとピント合わせの技をマスターしてみてください。

筆者おすすめアイテム





↑ PAGE TOP