デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座

RAWファイルの現像でできること

最終更新日:2019年5月2日

私たちが普段何気なく撮っている写真データはJPEG(ジェイベグ)と呼ばれるファイルが使われています。しかし、デジタル一眼レフカメラや一部の高級デジカメにはRAW(ロー)と呼ばれるデータで記録することができます。

RAW(ロー)ファイルで撮影したデジタル画像は画質を低下させることなく加工し、JPEGデータに現像することができます。ここではRAWファイルで撮影した画像の活用方法についてご案内させていただきます。

RAWファイルで保存されるようにカメラで設定しよう

デジタル一眼レフカメラで記録できる画像ファイルには、JPEGとRAWの2種類があり、一般的なコンパクトデジカメやスマートフォンで撮影するデータというのはJPEG(ジェイペグ)という画像データです。RAWデータで記録したい場合は、カメラ側で設定することから始めましょう。

カメラの設定で記録画質(画像サイズや画質を選択する機能)を選択できる画面で選ぶことができますので、まずは記録するデータをRAWに選択しましょう。


写真はCanonデジタル一眼の記録画質選択画面です。機種によってはRAWのみ・RAWとJPEG両方同時記録・JPEGのみを選ぶこともできますし、それぞれの画像サイズを選ぶこともできます。
(上の写真では、MサイズのRAW画像とLサイズのJPEGで記録するように設定されています)

RAWファイルは1枚当たりの容量が大きくなる(一般のJPEGで撮影したファイルの3~6倍程度)ので、RAWで記録する場合には大きい容量のメモリーカードを使うようにしてください。撮影可能枚数や連写にも注意してください。

またRAWだけで記録した場合、記録したメモリーカードを持ってお店へ行ってもデジカメプリントはできません。一旦記録したものを現像ソフトなどでJPEGに出力する必要があります。これは後項目でご説明します。

RAWファイルで撮影した画像をパソコンで見てみよう

RAWファイルで撮影したファイルをパソコンで見てみると、何やら見慣れない種類のファイルがあることに気が付くはずです。


上の図は1枚の写真にJPEGとRAWを同時記録したものを、Windowsパソコンで見てみたものです。ファイルの名前は同じですが、拡張子がJPGとCR2になっています。またファイルの種類もそれぞれJPGファイルとCR2ファイルに分かれています。そしてCR2は、やたらサイズが大きいのも見てわかりますね。

JPGはJPEGファイルのことで、従来の画像データです。ほとんどのパソコンやスマホ、フォトフレームなどで見ることができます。またCR2はRAWファイルのことで、見ようとしても見ることができません。

RAWファイルはメーカーによって拡張子(ファイルの種類)が違います。総称のことを「RAW」と呼ぶだけで、ファイルの種類は各メーカーで違います。

Canonは「CR2」・「CRW」、Nikonは「NEF」、Sonyは「ARW」、オリンパスは「ORF」、パナソニックは「RAW」・・・等あります。
それぞれファイルの種類が違うので、互換性もありません。メーカー独自の方法で生データ(RAWデータ)を記録しているので、閲覧や編集・現像をするにはそのメーカーに一致した再生ソフトや現像ソフトを使う必要があります。

といいましても、カメラを買うと現像ソフトが付属されていますので、メーカー純正を使う分では問題ないでしょう。

RAWファイルで調整可能なこと

RAWファイルはそもそも閲覧するものではなく、「加工・編集して現像すること」が前提です。RAWファイルで記録されたデータは、撮像素子に光が当たったデータをそのままにしている生のデータですので、これを上手に活用してJPEGデータに出力することで威力を発揮します。

JPEGとして完成している画像データは、最低限の色情報しか記録されていないため、後から色合いや明るさを変えてしまうと画質が劣化してしまうのがデメリットと言えます。

RAWデータはJPEGと違って画質を劣化させることなく大胆な色編集が可能で、元画像に傷をつけずに編集が行える「非破壊編集」が可能です。

それでは、RAWデータの非破壊編集でどのようなことができるのでしょうか。RAW加工で調整できるパラメータは以下の通りです。

■明るさの調整
RAWデータはJPEGよりも細かく明るさの諧調が記録されているため、撮影後の露出補正の幅が広がります。少し暗くしたり、明るくしたりすることは自由自在で、画像全体の明るさのバランス調整が容易に行えます。



上のようにちょっと暗めに写って失敗気味な画像でも、補正を行えばご覧のとおりです。

(しかし万能ではないので、元画像に白飛びや黒つぶれがあれば復活できませんし、+5EVなど極端な補正をすると劣化します、あくまで調整幅が広がる程度と認識しておきましょう。

■ホワイトバランスの調整
これはRAWデータ編集の大きな優位点の1つと言えます。通常カメラ側でホワイトバランスを設定しますが、例えばJPEGで撮影してしまうと、カメラ側で選んだ1つのホワイトバランスの色でしか記録されませんが、RAWはすべての色データを持っているため、後から好きな色合いにホワイトバランスを変えることができます。


後になって「もっとこんな色にしたかった」となってしまってもRAWデータなら好きなように調整できます。色合いを変えるだけならJPEGでもできますが、色のバランスが崩れてしまうので、RAW現像はとても有効です。

■色合い・コントラスト・ハイライト・シャドウ・アンシャープマスクの調整
彩度や各色のバランスを変更することができます。例えば風景ならコントラストを上げて彩度の高い写真に仕上げたり、肌の色が美しくなるような設定にしたり、空の色だけを濃くするなど、色のパラメーターを破壊せずに調整することができるのもRAW現像の魅力です。
また明るい部分、暗い部分の補正、輪郭の強さの調整などを行うことができます。明るさとホワイトバランスで全体のおおまかな補正を行い、最後に小さなパラメータを調整して写真の仕上がりを整えます。

■暗い場所でのノイズの除去
ノイズを除去する機能もついていますので、高ISO感度で撮影し、ざらざら感が気になる場合でもある程度の画質向上が期待できます。



調整が終わったら最後にJPEGに出力して完了です。JPEGに出力すれば今まで通りパソコンやスマホ、タブレットなどでも閲覧できますし、それをお店に持っていけばプリントもできます。1枚1枚現像するのは大変ですが、自分なりに調整をじっくり行えることもデジカメ現像の楽しみではないでしょうか。


RAW形式で撮影するときのポイント

RAW形式で撮影後の恩恵は、画質を損ねることなく明るさや色合い、ホワイトバランスを調整できるところにあります。中でも明るさの調整幅は大きく、多少失敗した写真でも融通が利くので大変役立ちます。

特に極端な明暗差が出やすい場所、それから失敗が許されない場面や撮り直しがきかない場面ですね。結婚式、運動会・・・いろいろありますが、なかなか明るさや露出まで考えてゆっくり撮影できない場面でもRAWが役立ちます。

ここでRAW撮影時のポイントをいくつかご紹介します。

もうご存知のようにRAWデータにはよりたくさんの色や諧調情報が記録されています。

一見まっ黒に見える場所でも、微妙なコントラストの差をRAWデータだと記録できていますので、明るさを補正すると見えないものが見えてきたりします。

極端な明暗差があり、どちらを犠牲にするか難しい場面では、できるだけ暗めに撮影しましょう。暗い場所はある程度明るく補正ができますが、白く飛んでしまった部分はいくらRAWといえど補正できません。

また暗い場所ではISO感度を上げるのが基本ですが、あえてISO感度を上げずに1段階暗くして同じシャッター速度で撮影するという裏技も可能です。暗めに撮影してもRAWなら補正が利きますし、ノイズが少ないと明るく補正しやすいといったメリットがあります。

RAWファイルの現像でできること まとめ

・RAWファイルを記録するにはまずカメラで設定することからはじめる
・RAWファイルはパソコンでは閲覧できず、メーカーによって拡張子が違う
・RAWファイルを閲覧・編集・出力するには専用のレタッチソフトが必要
・元画像を傷つけることなく、明るさや色合いなどの補正が可能
・RAWデータは暗めの諧調でもかなり持ち上げることができる

このようにRAWファイルで記録すると、元画像を傷つけることなく大胆な色や明るさの補正が可能になります。後から雰囲気を変えたり、自分の好みの1枚を仕上げたいときにも役立ちますので、これを機会にRAW撮影と現像にもチャンレンジしてみてください。

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