デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座

初心者向けの失敗しないカメラ三脚の選び方

最終更新日:2019年5月2日

カメラ用の三脚にはさまざまな大きさがあり、小さいものは卓上に置けるようなコンパクトなものから、大きいものは人の背を軽く超えるようなものまであります。大きさや素材など、カメラの大きさや用途によってピッタリのものを選ばなければなりませんが、ここでは初心者向けの失敗しないカメラ三脚の選び方についてご紹介したいと思います。

三脚の役割

まず最初に三脚の役割と用途についてお話したいと思います。三脚を買うにあたっては、明確な用途がある人もいれば、「もしかしたら何かに使うかも」という理由で考えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。三脚はどのような場面で使うのかをまとめてみました。

■長時間露光させたいとき
どれだけ上手な人が撮影しても、手持ちで何秒もの長時間露光で撮ることはできません。当てはまるケースとしては夜景や夕景、花火や星空の撮影のほか、滝や清流などを流して撮りたい場合、日中でもNDフィルターをつけてスローシャッターにする場合など、とにかく固定して長時間露光をさせるときに三脚は必須です。

■構図の固定
日中はシャッター速度が速くなるので、手持ち撮影でも十分ブレずに撮ることができますが、撮影スポットなどに行くと三脚を広げて撮影している人をチラホラ見かけますよね。三脚があれば構図を固定することができますので、カメラを構えて待つ必要もなくなり、急なシャッターチャンスでも対応できます。

■望遠撮影
野鳥やスポーツ撮影に行くと、大半の人は三脚を広げて構えていますよね。望遠や超望遠レンズは画角がとても狭いため、小さな手の振動でも大きくブレてしまいます。日中の撮影で手ぶれ補正をONにしていても望遠撮影を行う時は三脚が必須です。運動会や発表会などにもおすすめです。

■マクロ撮影
マクロ撮影とは被写体にできるだけ近づいて撮りますが、被写界深度がとても浅くなるため、手持ち撮影では疲れます。固定しておけばピント位置を合わせやすいですし、構図も固定できるため便利です。

■セルフタイマーによる自分撮り(集合写真)
スマホならちょいと自分のほうを向けてサッと撮ることもできますが、一眼レフカメラは大きくて重いので、自分撮りや集合写真を撮るなら三脚が必須です。ちょっと撮影する程度ならそれほど良いものはいりません。

■ブツ撮り
料理の撮影やオークション、商品紹介用の写真撮影などのブツ撮りも三脚が必要です。三脚のほか撮影ボックス、照明なども準備するとよいでしょう。

三脚の種類はさまざま

インターネットで三脚を調べたり、カメラ店などに行くとたくさんの三脚が並んでいます。安い物なら数千円から、本格的なプロ仕様の大型三脚ともなると10万円を超えるものまであります。

例えば重い望遠レンズを取り付けた大型一眼レフカメラを、トラベルやコンデジ用のヒョロヒョロの三脚に装着すればフラフラするだけでなく、重みでひっくり返ってしまうこともあります。その逆もありで、「どうせなら大型の三脚がいいかな」と大型三脚を買ってしまったが、いざ山歩きや旅行などのときに「重くて大きくて移動が大変」なんて後悔する話もよく聞きます。

三脚は用途に応じて様々なタイプがありますので、1つあったらOKというわけでもなく、自分は何の目的で三脚が必要なのかというのも重要になってきます。単に漠然と「三脚が欲しい」とは思わず、じっくり考えて購入してほしいものです。



■卓上ミニ三脚
その名の通り脚が短いミニ三脚で、台やテーブルの上などに置いて使います。ほとんどがコンデジや小型のミラーレスカメラ用に発売されていますが、小型の一眼レフカメラが載せられるやや大きいものも発売されています。

■トラベル三脚
トラベル三脚は非常にコンパクトに収納できるのが特徴で、旅行や山歩きなどの携帯性に優れています。反面、積載重量が低めであったり、脚を最大まで伸ばすと安定性が低くなるデメリットがあります。乗せる機材と相談しながら購入すると良いでしょう。

■廉価小型三脚
概ね5,000円以下で購入できる小型の三脚で、別名「ファミリー三脚」とも呼ばれています。小型で軽量、持ち運びも楽で、ちょっとした家族写真や運動会など、日中の撮影に適しています。脚と雲台が一体化しているものが多く取り外しできません。搭載できる機材の重量も低めになっています。

■小・中型三脚
各メーカーともラインナップが豊富で、本格撮影向きの三脚です。脚の太さが20mm~32mm程度のもので、脚の太さによって積載重量が変わります。用途やカメラの重さに合わせて準備しましょう。初心者が最初に選ぶ三脚も、この辺りから選んでみるとよいでしょう。

■大型三脚
脚の太さが36mm以上ある大型の三脚です。抜群の安定性と重い機材まで載せることができますが、本体が大きく重くなるため、持ち運びには不向きです。風の強い中での夜景撮影や、超望遠レンズでの撮影に向いています。

■一脚
正式には三脚ではないのですが、関連性が高いのでここで少しご紹介です。一脚はその名の通り脚が一本で、携帯性がとても優れているのが特徴です。三脚のように完全に静止させることができないので長時間露光には向きませんが、縦方向のブレを軽減できますので、移動しながら望遠撮影を行う野鳥撮影や動物の撮影に便利です。

三脚の脚の材質の違い

三脚を選ぶ最初の分かれ道として、脚の材質を決めなければなりません。三脚の脚の材質(素材)は、アルミニウムかカーボンの2択です。

■アルミ
アルミは昔からある素材で、耐久性の高さと手ごろな価格が魅力なので、初心者でも手が出やすい三脚と言えます。同サイズの三脚ではカーボンと比べると少し重い(1.3倍程度)ので、携帯性を重視した山歩きや徒歩での移動距離が多い撮影には少し大変です。

■カーボン
カーボン(炭素繊維)の魅力は軽くて持ち運びに優れ、剛性も持ち合わせている万能な素材です。ここ近年、小・中型三脚では急速にシェアを伸ばし、唯一のネックであったアルミとの価格差も縮まりつつあるため、初心者でも手が出やすくなってきました。

脚の太さを選んで耐荷重を決めよう

素材の特徴を理解したら、次に脚の太さを考えましょう。当然ながら脚が太いほど安定性が向上しますので、重い雲台やカメラを装着できるようになりますし、風などの影響も受けにくくなります。
しかし脚が太いほど大型の三脚になってしまうため、重量が重くなり携帯性が低下します。用途やカメラ・レンズの機材の大きさによって決めると良いでしょう。


上の図はカメラ用三脚の脚の太さを比較したものです。比較するとその差が大きいことが分かりますね。1つ1つの太さを用途別に解説していきましょう。

■20mmクラス
太さが20mm前後のもので、19mm~22mmくらいののもが出回っています。カメラ用三脚の中では最もコンパクトな部類に入るカテゴリーで、一般的には「小型三脚」と呼ばれるものです。
搭載できるカメラはコンパクトデジカメや、小型のレンズを取り付けたミラーレス一眼カメラに限定されます。

■24mmクラス
太さが24mm及び25mmくらいの三脚のことを言い、これも「小型三脚」の部類に入ります。20mmクラスに比べると少ししっかりしますので、日中の屋外撮影や持ち運びにも対応できます。キットレンズを取り付けたエントリーモデルのAPS-Cデジタル一眼レフカメラや、ミラーレス一眼などを搭載できます。

■28mmクラス
太さが28mmの三脚のことを言い、「中型三脚」と呼ばれています。価格と実用性、携帯性のバランスがよく、200mmF4クラスのレンズを取り付けたミドルクラスのAPS-Cデジタル一眼レフカメラまで搭載できます。長く使えるため初心者の人が最初に選ぶ太さとしてもよいでしょう。屋外の風景撮影から夜景撮影まで幅広くこなすことができるサイズです。

■32mmクラス
太さが30~32mmの三脚のことを言い、これも「中型三脚」の部類に入ります。28mmに比べると一回り太い脚が特徴で、200mmF2.8クラスのレンズを取り付けたフルサイズのデジタル一眼レフカメラまで搭載できます。風景から夜景まで幅広く使えますが、大きくなるので持ち運びが少し大変です。

■36mmクラス
太さが36mm及びそれを超える三脚のことを言い、「大型三脚」と呼ばれています。大きく重くなりますので持ち運びには不向きな反面、抜群の安定性があるのが特徴です。大型の望遠レンズを装着したハイエンドのフルサイズ一眼レフでもOK。

段数を理解する

三脚の棒は1本ではなく、太さの違う棒がつながって1本の連結されています。使う時は全部を伸ばして使用し、移動時や使わないときは脚を収納できるようになっています。この本数が何本にセパレートされているかがポイントで、3本で構成させているものを3段、4段で構成されているものは4段と呼ばれています。これらは明確な違いがあるため、違いを理解して用途に合ったものを選ぶとよいでしょう。

■3段タイプ
3段は3つの棒で構成されているため、4段に比べると強くなり安定性が高くなります。また伸ばす手間が4段に比べると1回減るので伸縮時の利便性がアップします。
反面、脚の長さがMAX時の1/3程度にしかならないため、携帯性が悪いのがデメリット。車の中などに収納して持ち運ぶ分は問題ないですが、徒歩での移動や公共交通を使っての移動が大変です。

■4段タイプ
メリットやデメリットは3段の真逆です。脚の長さが1/4になるため、より短くして収納できるのがメリット。移動力や携帯性は格段に上がります。一方4段になると継ぎ目の数が増えるだけでなく、一番下の脚はとても細くなってしまうため、三脚をいっぱいまで伸ばしたときの安定性は3段に比べると劣るデメリットがあります。また、三脚を伸ばしたり縮めたりするときの開閉動作も1回分多くなります。

■それ以上(5.6.7.8段)
トラベル三脚や大型三脚の中には、それ以上の段数のものもあります。段数が大きくなればなるほど収納力は高くなりますが、安定性は比例して悪くなります。

強度や安定性を重視するのであれば3段、携帯性を重視するのであれば4段を選びましょう。用途としては夜景や星空など長時間露光が必要な被写体が多い場合は3段、電車やバスなどの移動が多い場合や、山歩きや滝撮りなど、フットワークを重視するなら4段以上がおすすめです。

脚のロック方式はどちらが良い?

脚のロック方式はねじ込み式(ナット式)とワンタッチ式の2種類があります。ねじ込み式はネジのように緩めたり締めたりすることで脚の固定や解除が行えます。ワンタッチ式はレバーのようになっており、レバーを開閉するだけで脚の固定と解除が行えます。
手間はねじ込み式のほうがかかりますが、メンテナンスが不要なのがメリット。ワンタッチ式は開閉に便利ですがバネや締め付け力の微調整が定期的に必要。撮影中にバネの力が弱くなってズルズル動いてしまうこともあるので注意が必要です。

三脚の高さをチェック

三脚の高さはとても重要ですが、三脚選びの中で意外にスルーされているので要注意です。
チェックしておきたい高さは3種類あり、それぞれ全高・EVなし全高・最低高です。。



■全高
脚を標準開脚していっぱいまで伸ばし、且つエレベーターも最大まで伸ばした時の高さのことです。三脚が実現できる最大の高さであり、これ以上上げることはできません。

■EV(エレベーター)なし全高
脚を標準開脚していっぱいまで伸ばし、エレベーターは伸ばさずに使用した状態の高さ。エレベーターを伸ばすと不安定になるので、普段の撮影はEVなしの高さで撮影するのが理想。

■最低高
開脚を最大にし、最もローポジションで撮影できる最低高さのことです。三脚によってはエレベーターポールを取り外すなどの手間が必要になります。



三脚の高さの考え方としては、ご自分の目線の高さを基準に考えます。例えば身長が170cmの人であれば、目線はだいたい160cmくらいになります。カメラの底からファインダーまでの距離が8cmとすれば、雲台を取り付けた高さが152cm以上、雲台の高さが10cmの場合は、三脚のEVなし全高が142cm以上あれば、かがむことなく立ったまま快適に三脚が使用できる高さということになります。

EVなし全高が142cm以下の三脚にしてしまうと、目一杯三脚を高くしても目線の高さまで上げることができません。エレベーターを使えば無理やり上げることができますが、安定性が低くなってしまうためおすすめできません。エレベーターは微調整用として使うことが理想で、常に伸ばして使うことは控えましょう。

全高は小型の三脚ほど低く、大型の三脚ほど高くなる傾向があります。ミニ三脚やトラベル三脚などはいっぱいまで高くしても目線まで届かないものもたくさんありますし、大きい三脚では脚をいっぱいまで高くすると自分の身長をはるかに上回るものもあります。コンパクト性重視の場合は無理に高さを合わせる必要はなく、高すぎる場合は脚の高さを短く調整すればいいだけなので、目安として考えましょう。

雲台を考えよう

「雲台」(うんだい)って何? 初心者の方はと初めて名前を聞く人も多いと思いますが、三脚はカメラを固定する「脚部」と、カメラを自由な方向へ向けて固定させるものが「雲台」に分かれています。
家電量販店やホームセンターなどで売っている数千円で購入できる三脚には脚部と雲台は一体化しいるため、外すことはできませんが、デジタル一眼レフカメラ用の三脚は脚部と雲台を別々に購入し、用途によって組み合わせることができます。

初心者の方はまず最初に三脚と雲台をセットになったものを購入すると思いますが、上手な人になると複数の雲台を準備し、用途によって乗せ換えて使っています。

雲台には実にたくさんの種類があり、可動域や使い方も大きく異なりますが、デジタル一眼レフカメラ用によく使う4種類の雲台について簡単にご紹介いたします。


■自由雲台
別名ボール雲台とも呼ばれており、その名の通り構図をカメラをぐりぐり自由な方向へ向けることができます。3WAY雲台などに比べてコンパクトな設計のため、持ち運びに向いており、サッと構図を決めて撮ることができるメリットがあります。反面、構図の微調整や水平撮りが難しく、風景などの撮影にはテクニックが必要です。

■3WAY雲台
三脚の雲台と言えば、この3WAY雲台をイメージする人も多いかと思います。3WAY雲台は2つの大きなハンドルがあるのが特徴で、グリップを緩めたり締めたりすることでパンやチルト、ロールの操作を個別に行うことができます。構図の微調整や水平撮りが容易で、主に風景撮影に使われいます。反面、カメラの向きをめまぐるしく変えなければならないシーンや、星空のように上方向にカメラを向けたい場合などには向きません。

■ギア雲台
ギア雲台は歯車を回して方向を調整する雲台で、構図の微調整をミリ単位で行うことができるのが特徴です。風景の撮影はもちろんですが、シビアなピントや位置合わせが必要なマクロ撮影でも有利です。反面、カメラの向きを目まぐるしく変えなければならないシーンでは、3WAY雲台以上に大変です。また、構造上大きく重くなってしまうデメリットも。止まっているものを撮影するのに適している雲台です。

■ビデオ雲台
ビデオ雲台はその名の通りビデオカメラ用の雲台ですが、デジタル一眼レフカメラを載せて使っている人もいらっしゃいます。ビデオ雲台は左右の傾き(ロール)の調整ができず、上下と左右の向き(パンとチルト)だけハンドル一本で変えることができます。滑らかに動かすことができるため、デジタル一眼レフカメラで動画を撮影する際に有利な雲台です。

結局どれを選べばいいの

ここまで長々と三脚の選び方についてご紹介してきました。ご存知のように三脚には要素がたくさんあるため、1つでオールマイティに使えるものは存在しません。用途や機材の大きさ、重さに応じて複数の三脚や雲台を使い分けることが正解です。

こちらで用途別に分かれた初心者向けのおすすめ三脚をご紹介していますので、是非参考にしてみてください。

初心者向けの失敗しない三脚の選び方 まとめ

・三脚はブレ軽減や構図の固定、自分撮りなどの目的で使う
・三脚は用途や機材の大きさなど、たくさんの種類に分かれている
・脚の素材はアルミとカーボンがあり、カーボンの方が何かと有利
・脚が太いほど丈夫で堅牢度が上がるが、持ち運びには不向きになる
・段数が少ないほど安定度が増すが、携帯性は悪くなる
・自分の目線の高さを考えながら、三脚の高さを選ぶ
・雲台も用途によってさまざまなものがあるので、合ったものを選ぶとよい

三脚はとても奥が深いので、「安物でもいいやと」適当に選んでしまうと後悔することもあり、初心者とは言えしっかりと選ぶ必要があります。カメラ選び並みに要素が多い三脚ですが、自分にぴったりのものを見つければ長く使うこともできます。上記を参考に三脚の特徴を理解し、購入の目安に役立ててみてください。
なお、こちらでは用途別の初心者向け三脚をご紹介していますので、是非チェックしてくみてください。

筆者おすすめアイテム





↑ PAGE TOP