デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座

滝の撮影方法

最終更新日:2019年5月2日

流れる水が白い線に見える美しい滝の写真、新緑や紅葉と一緒に撮るのもいいですし、滝以外にも清流の流れを撮影するのもいいですね。しかし見入ってしまうような美しい滝の写真はどのように撮ればよいのでしょうか。ここでは滝をメインに水の流れを上手に撮るテクニックを紹介します。

滝の写真で重要なのはシャッター速度

水の流れを白いスジのように表現するためには、シャッター速度がとても重要になってきます。水は流れながら動いているものですから、シャッター速度を速くすれば水の動きを止めることができますし、逆にスローシャッターにすることで水が被写体ブレを起こし、白い糸のように写すこともできます。


このように流れる白い糸のような写真は、どのような条件で撮ることができるのでしょうか。

シャッター速度と水の動きの関係

滝を撮影する前に、シャッター速度と水の動きの関係についてお話しておきましょう。水の流れを表現するためにはシャッター速度が大きく関係しており、シャッター速度によって水の動きを変化させることができます。


上の図は、構図は同じでシャッター速度を違う条件で撮影し、絞りやISO感度を調整しながらほぼ同じ明るさに仕上がるように撮り比べてみたものです。パッと見てわかるように、シャッター速度の違いで水の流れの表情が違うことに気づくのではないでしょうか。
1/400秒では水がほぼ止まって見えますが、シャッター速度が遅くなるにつれて水しぶきが上下に伸びていく様子が分かります。シャッター速度を1秒にしたものは、ほぼ1本の線のように見えます。

このように同じ滝を撮影するにしてもシャッター速度の違いでずいぶん雰囲気が変わってしまいます。どのような仕上がりにするのかは自分の好み次第ですが、美しい水の流れを撮影するためには、スローシャッター(シャッター速度は1秒程度)で撮影するのが一般的です。

滝の撮影に必要なもの

それでは、滝の撮影に必要な物からご説明したいと思います。遊歩道が整備されたような観光施設の滝であれば難易度は低いものの、山を歩くような滝を撮る場合は撮影の知識だけでなく、山歩きの知識も必要になります。

■カメラとレンズ
カメラとレンズがなければ話になりませんが、マニュアル撮影やシャッター速度が可変できるカメラを準備しましょう。レンズは滝全体が撮影できる広角レンズや、切り取って撮影できる望遠レンズなど、その滝の規模やシーンに合わせたものを準備しましょう。超広角レンズや魚眼レンズなども寄って撮れるのでおすすめです。

■三脚
滝を美しく撮影する場合にスローシャッターは欠かせません。三脚は必ず用意しましょう。滝がある場所まで徒歩でかなり歩かなければならないこともあります。小型で持ち運びしやすいものを選ぶとよいでしょう。

■リモコンやレリーズ
カメラに触れることなくシャッターが押せる優れモノです。なければセルフタイマーでも代用できます。

■レンズフード
滝では常に水しぶきとの闘いになります。特に滝つぼ付近では水しぶきがレンズに付着する可能性が高くなりますので、少しでも水滴の付着を防ぐためにレンズフードがあるとよいでしょう。

■クリーニングクロスやタオル
滝では水しぶきがレンズに付着しやすいので、清潔なクリーニングクロスを常備し、いつでもレンズを拭けるようにしておきましょう。またカメラを守るためにかぶせるタオルも準備しておくと安心です。雨降りなどに使う専用の防雨フードなどがあれば完璧です。

■偏光フィルターやNDフィルター
後述しますが、撮影場所やシーンによってはフィルターをつけた方が有利になることがあります。偏光フィルターやNDフィルターを持っている方は準備しておきましょう。

■両手が使えるリュック
滝まで山道を歩くような場合は、そのルートが険しいこともあります。両手が使えるリュックなどを準備し、その中に機材を収納しましょう。トレッキング用のカメラリュックなどは三脚も収納できておすすめです。

■長靴・沢靴・トレッキングシューズなど
滝の撮影では反対側に回るときに水辺を渡ることもありますし、アングルによっては水の中に三脚を置いて撮影することもあります。裏がスパイクになっている磯釣り用の長靴や、苔でぬるぬるしていてもグリップ力がある沢靴、現地へ向かうまでのトレッキングシューズなど、靴も準備しましょう。

■虫よけやクマよけなど
虫よけやヒル除けのスプレー、熊除けの鈴など、観光地化されていない滝を目指す場合は必須のアイテムです。

撮影前のカメラの設定

撮影前のカメラの設定は下のような通りです。基本は絞り優先モードにしておき、絞り値を変えながら理想のシャッター速度(1秒前後)になるように調整していきましょう。それ以外の設定は任意で構いません。

撮影モード:絞り優先(Av)モード
絞り値:F8くらいからF22くらいまで(いろいろ試す)
ISO感度:ISO100(最低感度)
ピクチャースタイル:任意
ホワイトバランス:任意
AF枠:任意
ドライブモード:単発撮影
AF動作:通常
手ぶれ補正:OFF

撮影方法

カメラを三脚にセットし、まずは絞り値をF11くらいに合わせます。曇り空や辺りがかなり暗い場合はF8くらいでも大丈夫です。逆に日光がとても当たる明るい場所ならF18くらいまで絞り込んでおいたほうがよい場合もあります。

構図を決めたらピントを合わせたい場所にAF枠を重ねて、シャッターボタンを半押しにしてみましょう。ここでシャッター速度を確認します。

シャッター速度が1秒前後ならOKですが、1秒よりもかなり速いようならもっと絞り込む必要があります。絞り値を数値を上げて、シャッター速度が1秒くらいになるまで調整しましょう。また、1秒よりもかなり遅い場合は絞り値を小さくして、もう少しシャッター速度を速くしても構いません。

シャッター速度が1秒前後になったら、そのままシャッターボタンを押し込んで撮影してみましょう。明るさを調整したい場合は「露出補正」でプラス側やマイナス側に補正するとよいでしょう。

シャッター速度が1秒にできない場合は

回りが極端に明るいと、F値を最大にし、ISO感度を最低まで落としても、1秒よりも速くなってしまうことがあります。これ以上はカメラやレンズの性能の限界になっていますので、設定では不可能になります。苦肉の策としては、シャッター速度を1/2程度にしてみましょう。1/2なら何とか水が白い線となるギリギリのラインです。
このほかには、露出補正をプラス側に調整することで、シャッター速度を少し遅くすることができます。仕上がり自体は明るくなってしまいますが、もうちょっとで1秒になるという場合には有効です。

PLフィルターやNDフィルターを使う

F値を絞り込めばある程度スローシャッターにすることはできますが、あまりに絞りすぎると「小絞りボケ」が発生し、画質が低下する原因になります。
そこでレンズの先端にPLフィルターやNDフィルターを装着することで、レンズに入る光の量を調整することができます。PLフィルターは本来余計な日光の反射を防いで、色合いを鮮やかに撮影するためのものですが、約2段分の減光となりますので、何もつけないよりもスローシャッターで撮影できるようになります。
また、NDフィルターは光の入る量を減らす効果があるフィルターです。滝の撮影ならND16くらいのものがあれば、それほど絞り込まずにスローシャッターを実現できます。

慣れてきたら滝以外の情景も入れてみよう

流れる滝の動きの撮影がマスターできたら、滝以外の情景を入れながらいろいろな構図で写真を撮ってみましょう。望遠レンズで一部だけを切り取って作品にするのもよいですし、超広角レンズを使って見上げるような構図も迫力があります。
また、滝と一緒に周りの景色を入れてみたり、滝を副題にしてしまうのも1つの方法です。滝は自分が動きまわることで全く違う印象に仕上げることもできますので、さまざまな楽しみ方ができるのも魅力の1つと言えます。


単に滝だけでなく、周りの景色を含めると印象がずいぶん変わります。


パースを効かせたダイナミックな構図にするには、より広い範囲が撮影できる超広角レンズがおすすめです。


見上げながら高い木と一緒に滝を写してみました。空が白飛びしていますが、そんなことは気にせず大胆に撮ってみるのもよいでしょう。


美しい紅葉の季節に撮影。新緑と一緒に撮ったり、雪景色とともに凍った滝を撮るなど、年中楽しめるのも滝撮影の魅力の1つです。


一部を切り取って、流れる部分をアップして撮影してみました。滝は必ず全体を写す必要はなく、一部分だけを切り取ることで迫力ある流れを再現することも可能です。

滝の撮影方法 まとめ

・滝の流れを美しく撮影するにはシャッター速度が重要
・シャッター速度を1秒以上にすることで、滝の流れを白い糸として表現できる
・カメラと三脚さえあれば滝の撮影は可能だが、場所によっては装備を整える必要も
・基本は絞り優先モードにして、シャッター速度と相談しながら設定する
・PLフィルターやNDフィルターを使えば、明るい場所でもスローシャッターが可能
・慣れてきたら滝以外の情景も入れて構図を考えてみるとよい

滝はシャッター速度のコツさえつかめば、誰でも簡単に流れる滝の美しい写真を撮ることができます。ポイントとしてはいろいろ動いて構図や切り取り方を考えることで、人とは違う一枚を撮ることも可能。上記を参考にしながら、美しい滝の写真を撮ってみてください。

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